世界と人生を彩るもの

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融雪放流めぐり・尾白利加ダム 2019年4月26日

8割書いたままお蔵入りしていた記事に日の目を浴びせたいと思います。
ダムに行ったのは2019年4月26日、それから1年経って融雪期を迎えたのをきっかけに無性に書きたくなり、いくつかブログを書いたのですがこのダムに書いているうちに途中で力つきていました。 
 
 
さて、この日のダムめぐり、当別ダム青山ダム徳富ダム新十津川ダムと見てきましたが(それぞれのダム名が該当記事へのリンクになっています)
 
一番のお目当てはこちら、
 
尾白利加(おしらりか)ダムです!!!
 
 
この日が初訪問。
 
 
来たかった理由は、初見だと読み方にちょっと迷うこと、名前の響きがいいこと(声に出して言いたくなるよねオシラリカ)、融雪放流するダムと聞いていたこと、水の恵みカード関係で興味があったこと(水の恵みカードは結局入手していませんが)、などなど。超個人的な理由としては自分の名前にも入っている「加」の字が使われているだけで勝手に親近感(単純)。
 
 

 
札幌の自宅からは103km、2時間ほどの距離ですが、当別青山徳富新十津川をまわってきているのでここまで4時間ほどかかっています。札幌市豊平区8:00→当別ダム9:00 (20分)→青山ダム9:40(15分)→徳富ダム10:25(15分)→新十津川ダム10:50(20分)→(雨竜の道の駅挟んで)尾白利加ダム12:05(20分)といった感じ。()内は見学時間。こう見ると短く見えますが現地では特に急いでおらずゆったりいろいろ眺めております。
 
 
これの前に訪れた新十津川ダムのほぼ真北に位置している(たぶん直線距離だと10kmくらい)けれど、ダムめぐりあるあるで、かなり迂回して回り込むような感じになります(31km)。道の駅経由なのでさらに大回り。
 
 
これを目当てに来たのでわかってはいたけれど!

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△越流しております!!
 
 
真昼だというのに天気が悪くて写真が映えませんね‥
 
 

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流入部がでかすぎて写真におさまりません。
 
 

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△尾白利加ダムの入り口の門。
 
 
札幌方面から来ると国道275号で北上してきて、道道432号へ折れ進んだ先にあります。

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△天端の上を道道432号が通過している。この先に雨竜沼湿原。子どものころに行ったことがあって、この日も行けるのかしら、と思ったら冬期通行止でした。開通予定は6月6日って、どんだけ遅いの。雪崩や土砂崩れの心配がなくなるまでけっこうかかるエリアなのかな。
 
尾白利加川は雨竜沼湿原から流れているのかと思ったら、雨竜沼湿原の辺りからはペンケペタン川が流れ出て、それが尾白利加川と合流してここ尾白利加ダムにくるようだ。
 
 
通行止のゲートが天端の左岸(私のいる側)にありまして、いつも迷うんだけれど通行止は立ち入りしていいんだっけ??とわからないので【原則】ゲートより手前側を楽しみました。
 
 
通行止解除されたらまた来ればいいだろ~と思ったけれどそのあとは行けていません。
 
 

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△越流しているのもあり流入部見てれば楽しい。
 

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△越流頂に引っかかっている木シリーズ。
 
 

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さっき、原則ゲート手前から楽しみました~と書いたあと、この写真を見て「ん・・・・」と思ってグーグルマップをよーく見たら、この写真はどう考えてもゲート内から撮っている。。。通行止は車両の話って聞いたことある気がしなくもないような??? ダメだったら消します。
 
 

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△導流部
 
 
 

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△また今度行ったら天端も往復するよ!
 
 
雨竜沼湿原に行ったのはいつぐらいかなぁと家族写真を発掘。パノラマ写真。右下に日付がないからいつなのか不明。
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左から妹、母、父、私。
 
なぜかランニングシャツ姿(笑)
 
私の記憶では小学1年生あたりかと思ったけれど、3歳差(学年では4つ差)の妹の身体のデカさ的に、私は小2~3くらいだっただったと思われる。小4になったら父の転勤で静岡に行ってるのでその前ですね。
 
ということはこの日、道道432号に来たのは、20数年ぶり。わあああ。
 
 

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△暑寒湖の向こうには本来恵岱(えたい)岳が望めるそうだが、今日はふもとの方だけ。
 
 
 

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さて天端横から側水路式流入部を見るのはここらへんで終えて、移動します。上の写真の奥の方に写っている管理所や取水塔の方へ向かう。
 
 

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△存在感のあるモニュメント。
 
 

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△ベンチが収納されている。もう少し暖かくなったら外に出てくるのだろうか~
 
 

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流入部を上流側から。
 
 
△動画2つくっつけました。
初めてiMovie使ったけどなかなか良いな。そして今まで10秒くらいの動画をTwitterにあげまくってブログに差し込んでいたけれど、こうやって動画をまとめてYoutubeから載せたほうが、動画の質も良いしいいかもしれない。ふむ。
 

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△ダム諸元の看板。
気になるところ抜粋。
 
 
〇余裕高 2.780m
 
余裕高???
 
〇提型式は傾斜心壁土石型アースダム
(ダム便覧にはロックフィルで載っている。)
 
〇余水吐型式及び堤頂 横溢流式側構余水吐 堤頂140m
 
「余水吐」! ダムの目的が一つだと洪水吐ではなく余水吐と呼んだりするんですよね? 尾白利加ダムの目的はA(かんがい用水)だけ。
 
横溢流式。あふれ出る感じが伝わります。
 
側溝ではなく側「構」なのはしっくりこない。
 
 
〇放水吐型式及び延長 シュート式 L=28.0m 梯型断面 L=99.0m
〇最大洪水量 Q=524㎥/sec
 
「放水吐」!! 
 
そして最大洪水量そんなに大きいのですね! 毎秒524トン。小学校の25mプール1個分くらいが毎秒流れ出る感じ。それくらいの雨が流れ込み溢流することがあり得るってのもすごい(怖い)し、それでも大丈夫なように設計されているというのもすごい。
 
ちなみにこの日見てきたダムの計画最大洪水量は、
当別ダム 740.00㎥/秒
青山ダム 見つけられず
徳富ダム 160.00㎥/秒
新十津川ダム 106㎥/s
当別と徳富は川の防災情報より、新十津川はダムにある諸元より
 
同じ重力式コンクリートダム当別と徳富でもこんなに違う。
 
新十津川ダムの諸元で「洪水吐」のところを改めて見直すと、
側溝流入式 1箇所
設計洪水量 106㎥/s
越流水深  1.28m
越流堰長  40m
 
新十津川ダムのところで語りなさいという話なんだけどこのままここに書きますw
 
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尾白利加とは違って側「溝」の字、そして越流水深!! 側溝流入式だとその高さをこえる分の水が流れ出るわけですが、その水深の深さ! 考えたことはあっても想像つかなかったけどこうやって載せてくれるとわかっていいですね! 流入部の越流頂から(の高さだよね?)1.28mも・・!って思ったけれど、流入部の写真を見たら↓
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△越流頂から1.28mもこえたらなんかダメそう(語彙力)。といいつつ、越流頂でさえ40mに見えないから、高さ1.28mもそう見えないだけで収まるのかもしれん。ダムを見ていると大きさの感覚マヒするからね。
 
奥の目盛りを見にまた行かないと。
 
というかこれまであまり気にしていなかったので、用語についての理解もできていないかも。最大洪水量と計画最大洪水量と設計洪水量は同じ? それとも違う?? ダムによって使っている用語が違う、もしくはピックアップしている情報が異なるので、必ずしも比較できない数字を挙げているかもしれません。ここらへんも追って学びたいと思います。
 
(”ちなみに”からの脇道終了)
 
尾白利加ダムの諸元抜粋の続き!
 
〇取水兼排水隧道 L=326.60m φ=-6.40m
〇隧道排水量 Q=205㎥/sec
 
取水塔から取った水は余水吐より左岸外側にある隧道を通って、放水吐より下流側で川に流れ出ます。
 
 
 

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ふう満腹満腹。
 
 

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△取水塔、ひたひた。
 
 
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△網場の上を鳥が!
 
拡大 ↓↓

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△なんの鳥なんでしょう、サギとか?
 
 

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スマホで鳥がうまく撮れるわけがない!
 
 

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△量水標、撮るようにしているわけですが、、、数字はもういいやと思っているのに・・細かく見えると気になる。
 
余水吐から放流している本日の水位は151.5m(より少ーし低くみえる)。
 
さきほどの諸元を見ると、

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満水標高 EL=151.50m 。
 
自分のために書くとELとは標高(Elevation)の略ですね。
 
看板の字が消えかかっているからFLに見えて、FLってなんだよぉぉぉぉって混乱したのはここだけの話です。
 
量水標の151.50mに書かれているFWL。FWLってなんだっけって調べてみたけどこれがまた見当たらない。あとでFull Water Levelか!と気づくんだけどそれまでいろいろ考えてもんもんとします ↓↓
 
当初、常時満水位でいいのかしら…?と調べてみたけどよくわからない。ダム便覧では常時満水位はNWLになっているし。ダムの用語解説はけっこう重力式コンクリートダム、そして洪水調節(とその他の利水をいっしょに)を目的にもつダムについて行われていることが多いから、かんがい目的のみのこのダムでも意味合いが一致しているのかどうか考えれば考えるほどよくわかんなくなってきた。「FWLとは!」と説明されているものも探した範囲では見当たらず。逆に常時満水位(平常時最高水位)について調べてみると、平常時(非洪水期)に貯めることができる最高水位、という説明を見ます。横溢流式の尾白利加ダムではある水位まで達したら溢流して流れ出てしまうので、そういう意味で「貯めることができる最高水位」ということはできるけど、普段聞く「常時満水位」というのは利水(かんがい・工業・上水道)のためには水をできるだけ貯留しておきたいけれど(非洪水期とは言え大雨がないとも限らないので)大雨が降っても大丈夫なようにある程度減らしておくことが決められており「貯めておくことができる最高水位」という認識でいる。同じ「貯めることができる」でも全然違う。
 
ふぁー!!!\(^o^)/ おてあげ!
 
と思ったけれど、自分でもすぐ上に書いた通り、尾白利加ダムは利水(かんがい用水)だけが目的で治水のための容量の制限を受けないから、洪水期も非洪水期もなく、常時満水位(平常時最高水位)も洪水期制限水位(洪水貯留準備水位)も関係ないのか!! 単に唯一の目的であるかんがい用水を確保できる水位があるだけ。できるだけ貯めたくて、最大限貯まったときの水位=満水位。ここで気づいたFull Water Level!!!
 
 
Full Water Levelで検索したら愛知県のため池解説ページ(ため池ってなに? - 愛知県 )が出てきた。
 
満水位:水を貯める最高水位、常時満水位、FWL(full water level)
洪水位:設計洪水流量の流水が余水吐を流下するときの越流水深を加えた水位、HWL(high water level)

常時満水位って出て来てるけどそれはさておき、洪水位のところで越流水深についても記述がある!

 

上の洪水位の説明をざっくり書くと、

満水位(FWL)+越流水深=(設計)洪水位(HWL)

ってことですよね!

(設計)洪水位(HWL)-満水位(FWL)=越流水深

ともいえる! 

 

ってことを新十津川ダムの諸元で確認しようと思ったけどあっちは設計洪水位EL116.08mと越流水深1.28mの数字しか載ってない。

 

断面図には載ってるか~??と思ったけれど、

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粗くて読めない!! 恐らく116.08-1.28=114.8(m)がFWLとして載っているんでしょうね。また新十津川の話をここでしてしまった←

 

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断面図を見ると、尾白利加ダムのHWLはEL 153.02m。尾白利加の越流水深の情報は諸元にないのかーと思っていたけれど、HWL153.02-FWL151.50=1.52が最大洪水量のときの越流水深(m)なんですね。
 

 

満水位(FWL)の話に戻りますが、「それを超えると流れ出る水位」と考えると、サーチャージ水位(洪水時最高水位)(SWL)と一致するのかどうか?
 
そもそも「サーチャージ(Surcharge)」という単語の意味は「積みすぎ、過重、追加(料)金、割増金‥」など。ダムを好きになる前はサーチャージと言えば海外旅行に行くとき航空料金にかかってくるやつしか知らなかったのに今ではすっかりダム用語メインで認識している。
 
もっと分解すると「sur」という接頭語の意味は「上の、超えた、さらに」、「charge(動詞)」が「負わせる・課す、…、負荷をかける;充電する・〈入れ物に〉満たす・詰める」、「charge(名詞)」が「料金、つけ、(容器への)充填 (量)・(蓄電池の)充電」など。weblio辞書やgoo辞書を見ました。
 

航空料金にしてもダムにしてもサーチャージとは、とある決まっている容量(料金)を超えるものを意味する。なるほどなるほど。言い換えているだけでFWL=SWLな気もするんだけど(特にかんがい目的の)横溢流式のフィルダムではサーチャージ水位と聞かない気がする。うーん。

 
\( 'ω')/
 
 
(量水標にも載っている)HWLについてはもうひとつ!

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さきほども見た断面図から、HWLは153.02m。

 
!! 
 
堤高155.80-HWL153.02=2.78
 
これが余裕高ですね! 計画高水位まで水位があがったときの堤高までの高さ(余裕)。
 
スッキリ!
 
だがしかし、そのほかにEHWL(153.21m)がある!!?? EHWLってなんです??
 
HWLより0.19m高いこの水位。
 
EHWLを調べてみても答えが出てきませんでした。
 
計画よりも上のHWLというならEmergencyのEとか? 計画・計算上の最大洪水量を超えてきても(=非常時)一応この水位までは大丈夫!ってのがEHWLなのかと思ったけれど、19㎝か、、、そしてそれなら余裕高はこっちの数字からとって欲しいような気もする。もうわからん。弱気になると小文字にする。
 
内容盛りだくさんで楽しいんだけど理解できなすぎて困る^^;
 
調べてもわからなかったことは今後の課題ということで。
 
 

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次は天端通行可能な夏季に雨竜沼湿原と合わせて再訪したい気もするし、かんがい期を終えてダム湖が空になった時期にも行ってみたい。冬もいいなあ…
 
 

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 4月もう後半だというのにまだ寒々しい。

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△わかりにくいけれど堤体の上流側。結局現地諸元にある通りアースなのか、ダム便覧等にある通りロックフィルなのかわからない(・´з`・)
 
 

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というわけで! この日見た融雪放流はしご(当別→青山→徳富→新十津川→尾白利加)のお話は以上で完結となります。お読みいただきありがとうございました(*''▽'')