本 道尾俊介『向日葵の咲かない夏』
・・・最近、読解力が落ちているのか、
読んでてよくわからなかった。
もしくは、最後に判明した事実が、「へぇ~。・・・だから?」ていうレベルでした。
犬猫の惨殺事件と、S君の事件の2本柱が展開されますが、
その謎の解明が二転三転するのが、ちょっと飽きてしまうし。
どれが真相でもいいよ~てな感じになってしまった。
話がうまく絡んでないかんじ。
読み終わってもぜーんぜんスッキリしなくて、
いろんな解説ページを探しました。
そこで、実はいろんな伏線があってこういう事実が隠されていた、という解説をみて、
その伏線の引き方は下手じゃないな、と思いましたが。
判明する「実は!!」の部分が「ふーん」なので。
話は変わるけど、オビや裏表紙の解説に、「すごい展開」が書いてある場合、中身はもっとすごいはず。
けど、最初の展開にびびっただけで終わっちゃいました。
めずらしく辛口なり。
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以下、ネタバレ&ねたばらしありです。
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一番怖かった場所は、ミチオの部屋のドアの隙間に見えたS君。
あと、S君が書いた作文「悪い王様」とびんで育てたネコ。
私、ちょっと閉所恐怖症のケがあるので、ちょっと、無理でした。
しかし、蜘蛛がしゃべれるんかね、と思ってたけど、
結局はミチオの主観の中での話なんですよね。
ミカ(・・も結局その主観の中の人物)もしゃべれるなら蜘蛛はS君なんだろうなって思っちゃった。
スミダさんもしゃべれるならS君生まれ変わったんだ!って。
まぁたしかにうまいか。
S君の「生まれ変わり」がおおっぴろげになっているからこそ、他がうまく隠れる。
物語冒頭ではミチオが可哀想で、同情を誘うので、応援してあげたくなる主人公なのですが(一緒にハラハラドキドキ)、
終盤から性格が激変しますね。それで読者は戸惑う。
あれ?この子なんでこんなに積極的で、攻撃的になっているんだろう?
その不安が物語の進行を煽ります。
うーん、でも解決したのかな?
解決・・・。
伊坂幸太郎の『重力ピエロ』の結末も、”解決”したことになるのかモヤッと感が残りましたが、
最後の影がひとつっていう描写、親戚のところにいくという顛末は、両親の死を想像させますが、あの火事の起こり方で、うまいこと両親だけが死ぬかしら。
他の方の解説にもあるとおり、ミチオの世界観や、これからの行く末を案じることが一番コワイのですけど。