世界と人生を彩るもの

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本 倉知淳「星降り山荘の殺人」


しばらくぶりに活字中毒発症ってなくらいに本を読みまくっています。

たしかこの本はアメーバのミステリ好きグルっぽか何かでおすすめされていたはず。

まず名前がありきたりなようでオシャレ。星降り山荘だなんて。

舞台は埼玉県秩父のさらに山奥の山荘。

私の妹が西武池袋線沿線に住んでいるので、秩父にはこれまで2度ほど足を運んでいるのもあり、情景を描きながら作品を楽しむことができました。

ミステリーとしてもとてもいい作品だと思います。小難しい雰囲気がないので、読みやすく、その分価値が低く見えがちな作品かと思いますが、読んで損なし。名作だと思います。

「まず本編の主人公が登場する
主人公は語り手でありいわばワトソン役
つまりすべての情報を読者と共有する立場であり
事件の犯人では有り得ない」

「和夫は早速新しい仕事に出かける
そこで本編の探偵役が登場する
探偵役が事件に介入するのは無論偶然であり
事件の犯人では有り得ない」

このようなガイドが章の始めごとにあるので、なんだか犯人当てのミステリーツアーに参加しているような気分で読み進められます。

しかし犯人全然わからなかった。

いろいろ予想外なところから犯人探ししたのに、全然わかりませんでした。

そこまで難しい話じゃないのでいろんな人に読んで欲しい作品です。


ここからちょっとネタバレもどきになります。


これはシリーズ化しやすい作品だと思ったら、読了してみると思ってたとおりの形ではシリーズ化は無理だった。シリーズ化するとしても別の形だった。

てかある意味、「実写化困難」だよな~~だいたいこういう作品の実写化は配役でばれそうです。

結局こういう「出会えてよかった~」って思うような作品って本でしか出会えない。映像だとうまく隠し切れないし、話題になっちゃえばネタバレされちゃうもんなぁ。

映画だと難しいだろうから(←どんでん返しものをせっかく作っても話題にさせればさせるほどネタバレしちゃえば意味がない)、単発ドラマでこういう名作ミステリーをやってくれないかなって思ったけど、すでにきっとやってるのでしょうね。単発ドラマだとただの「どんでん返し」になってしまって「出会えてよかった」モノにはならないかも?

やはり本の名作は本の世界で生き続けるのかもしれないな。そういう作品に今後も出会いたいものです。