世界と人生を彩るもの

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映画「君の名は。」

先日放送された映画「君の名は。」、録画しておいて、昨日見ました。

 

映画がロングヒットして話題になっているとき、「まあいつかは見るだろう」ということでネタバレは避けていたんですけど、ちょいちょい予想はついていたりしました。

 

 

 

ここからストーリーの注意ネタバレあり注意の感想です。

 

 

 

 

 

さすがに話題作だけあって、見て時間の無駄ということはなし。

 

でも今後ずっと残っていくだろう!という名作には感じられなかった。

 

アニメ作品ならサマーウォーズの方が、何年か経っても楽しめそう。

 

なんでかなと考えてみるに、映像美には魅力があるものの、ストーリー自体は平凡な感じがしました。

 

一応、入れ替わる主人公たちの時間が3年ずれていることがミソですが、3年ズレてたら流行曲やスマホの仕組みやらが違うわけで普通気づくんじゃないかな~って思ったし(辻褄にうるさいタイプ)、口噛み酒を飲んでシンクロという展開はちょっとオエっと思ってしまったこと、彗星がもう間もなく落ちるのにご神体の近くで巡り合い、そっからダッシュで街へ戻る!とか、名前は憶えていられなくて「君の名は!」となるのに姿は覚えていて並走する電車にいる相手に気付き違った路線の次の駅で降りた二人が街のど真ん中で出会うという「奇跡」の辺りが私はしらけてしまったのかもしれない。

 

その前に歩道橋の上でニアミスしたときに目が合ってにこっと笑う→ジ・エンドとか、お互い何にも覚えていないけど東京でやたらと会ううちに惹かれあって・・・とかのほうが、本人が記憶or意識していないところで働く”縁”や”運命”や”絆”みたいなものを描くことになって良かったのではないかと思いました。

 

とにもかくにもストーリーがまあ平凡な感じがして、じゃあアニメーションは?となったときに、これがまたアニメである必要があるのかどうかよくわからなくなってしまいました。

 

実写のようなアニメーションというのでしょうか・・。

 

最近CG映画やCGアニメを見ていても思うことですが、「まるで実写のような」CGというものにあまり魅力を感じません。それなら実写でいいじゃんと思う。

 

私がこれまでハマった映画にタイタニックロード・オブ・ザ・リングシリーズがありますが、例えばタイタニックはCGの黎明期というか、まだ完成する前だったので、「CGでこんな表現もできるんですよ!」という役割を担った作品だと思う。実際に撮影できないシーンをCGを駆使することで表現した。

 

また、それ以上にCGの本領発揮となるのはファンタジーの世界を描くときで、アバターにしろハリー・ポッターにしろロード・オブ・ザ・リングにしろ、CG技術なしにあの映画はあり得なかったわけで、とても意義のある作品たちだと思う。

 

でも今は、まるで現実みたいな世界を描くためにCGが使われすぎな気がする。それだったらむしろ巨大セットを組んで実写のほうがすごいのに、CGでこんなに現実っぽくしたんですよすごいでしょ?作品が増えてきた気がする。何かそういう作品をいま例示したいんだけど思いつかない。あ! 逆の例だとララランドの評価は最初の高速道路ダンスにしろパーティー会場のダンスにしろ夕暮れ時のダンスにしろ最後のクライマックスにしろ、CGじゃなくて実際に撮ったからこそ評価された作品なわけですよね。(途中いきなり空を飛んだりするのはCGだけど、むしろちゃっちいCGゆえに効果的な演出になっている)

 

実際に撮影した実写作品に勝るのは難しいけれど、実写できないCGには価値がある。「現実っぽい」「現実に近い」という価値観になるなら、実写のほうがいい。

 

そもそもCGが発達する以前から、アニメーションの方が、描写や描くことのキャパは大きかったように思う。

 

なんてったって「絵」だから。

 

そこには「リアリティ」の追求よりも「描写したいもの」に重きが置かれていたからこそ、実写やCGが越えられない力がアニメにはあったと思う・・・。

 

ジブリ作品で何度見ても楽しいナウシカラピュタもののけ姫なんかは、まずストーリーがあって、そしてそれをアニメで描いた。作品のどれも、「アニメ」であって、現実と間違うかのようなリアリティがあるわけではないし、また実写で観たいとも思わない。なぜかと言えばたぶん実写はアニメを超えないから。

千と千尋以降、CGっぽさあるいはCGならでは、というアニメーションも増えたけど、それでもアニメの域を超えてない)

 

ディズニー作品だとシンデレラや美女と野獣などが最近実写化されてますが、私はアニメのほうがいいだろうな~と思ってみていない。実写だからこそのドレスや調度品などの美しさはあるかもしれないけれど、アニメだからこその良さを失ってそれを補い超えるほどの実写の魅力があるとも思えない。

 

ラプンツェルアナと雪の女王にはCGがかなり使われているよううだけど、現実と錯覚させるようなタイプの使われ方ではないように思う。ドレスの裾の動き方などにはCG技術が駆使されていても、アニメの世界の中にいることは疑わないからこそ、その「おとぎ話」の世界観にひたれるように思う。モンスターズ・インクトイ・ストーリーはCGだからこその空想の世界観がある。

 

だから何が言いたいかというと私の中でアニメはアニメ。

 

「まるで現実のような」世界観をアニメで表現する必要はないと感じてしまいます。

 

アニメ映画の「夜は短し歩けよ乙女」、原作が大好きすぎて、下手な映画化したら許さんぞと思ってたらとても素敵な映画になってくれて、これ以上の素敵な映像化はあり得ないと言い切れる映画になってくれてとても幸せでした。好みはあれど、デフォルメありきで、不要なところは描かず、けれどアニメならではのぶっとんだ世界観がとてもマッチしてた。

 

そういう特性がアニメにはある。

 

君の名は。は、アニメであの綺麗な、現実のような描写をしたから評価されたように思うのですが、それなら実写(+CG)作品でもいいのではないかと思います。ただし、もともと実写作品だったとしたらこれほどまでに評価されたんだろうか・・・と思ったり。

 

 

いろいろ書いてしまいましたが、現実っぽく描いているのが私好みのアニメーションではないというだけで、アニメ映画の歴史の中ではやはり革新的であると思います。今まではなかった映像美。

 

ただし、表現できるからといって、これがアニメの最高であるかと言えばそうではないだろう、という感じ。

 

RADWIMPSの音楽はとても効果的に使われていてよかったです。前前前世のイントロが流れるタイミングはうひょーと興奮しました。

 

ただこれをハリウッドが映画化???

 

東京と岐阜の田舎の対比や、神社、巫女というのがなくなったときにどうなるんだろう・・・

 

そして日本のアニメに出てくる「彗星」とハリウッド映画に出てくる「彗星」のイメージの違いが・・・いきなりアルマゲドン感が出てきてしまう。

 

 

ここら辺まで書いてTwitterで感想を探してみたら、大好き派とつまんない派に分かれてるようで。

 

大好き派しかいないのかと思ってた。

 

ストーリーの細かいところが気になる人はしらけるし、気にならない人は楽しめる。

 

そこの差が評価の差なのかな。

 

大好きな方の大好きな気持ちを否定するつもりはありません。