緑色の水圧鉄管(札幌市の水道と豊平川の話)
まえがき
定山渓方面に行くとき、藤野の信号を避けるために通る裏道、札幌市道砥山豊平川沿線!! その道沿いには取水堰や発電所がいくつかあるのだけど、ダムを好きになる前は全く目に入っていなかった。ダムが好きになったらダムがあることに気づき(奥まったところのは教えてもらい)、発電所まで興味が広がったら発電所があることに気づいた。見かけたり、立ち寄ったり、写真を撮るだけで満足していたんだけど、最近また新しい施設・設備が作られている。
緑色の水圧鉄管
白川(しらいかわ)浄水場の北西側、藻岩ダム(取水堰)寄りのエリアに新しく作られたこちら↓↓
緑色の水圧鉄管が2本!!!!!
お隣にはインクラインがー!!
最近になって「あの水圧鉄管はなんで作ってるんだ…???」って気になりましたので調べてみました。
△写真を撮ったのはここから
余談だけど、インクラインって巡視船をダム湖におろす斜面設備、という認識だったのですが、ダム湖と船がなくてもインクラインって言うんですね(incline=傾斜)。
ここでは水圧鉄管の上部のところから地中へ導水管を掘り進めていて、その資材の運搬をするためにインクラインがあります。トラックを使うなら道路敷設のために広範囲の木を切り倒さなくてはいけないけどインクラインだとここだけで済む。
△2020年11月7日、このときはクレーンの存在感がやばかった
目次
斜面管路工事の看板
水圧鉄管をなんで作っているのか気になってとりあえず自分の写真フォルダを見てみると、
なんか撮ってた\( 'ω')/(←撮るだけ撮って読んでないやつ)。2020(令和2)年11月7日撮影のもの。
「施設整備事業の内導水施設国庫補助事業 豊平川水道水源水質保全斜面管路新設工事」!!長い!!
看板にいる青いやつは札幌市水道局のキャラクター「ウォッピー」です。冬になると水道管凍結注意のポスターでよく見かけるけどこういうとこにもいたんですね。
その隣には別の看板が掲げてあり、
(*_*) なんかいろいろ書いてある!
以下、文章を書きだしてみます。(読まなくてOKです←)
「斜面に導水管を設置する工事をしています」
札幌市の水道水源の98%をまかなう豊平川の水源水質保全策を施し、将来に渡りより安全で良質な水道水を安定して供給するための事業。
※取水堰、導水路、放流調整池から構成されるバイパスシステムを整備し、以下のとおり『①通常時』『②事故・災害時』の運用を図る。
①通常時の水質保全対策
豊平川上流における通常時の水質悪化要因であるヒ素やホウ素などを含む自然湧水や下水処理水を、導水路を用いて白川浄水場の取水地点より下流に迂回(バイパス)・放流し、河川水中から根本的に取り除くことで、より良質な水を取水可能となる。
②事故・災害時における浄水処理の継続
事故・災害時(高濁・油事故等)には一時的に水の流れを切り替え、導水路を利用してさらに上流の良質な河川水を浄水場まで運び、浄水処理を継続することで、断水することなく水道水を供給可能となる。
事業実施前(現在の水の流れ)※看板下部の、イラストが添えられている部分の文
自然湧水を含んだ川の水を浄水処理しています。しかし、この自然湧水に含まれるヒ素、ホウ素などはできるだけ少なくする必要があります。
事業実施後
①通常時の水の流れ<より安全で安心な水質を守る>
ⓐ地点から豊平川上流の自然湧水や下水処理水などをⓑの導水路によりう回(バイパス)させ、浄水場取水地点より下流のⓒ地点で放流します。これにより浄水場ではいつでもきれいな水を確保することができます。
②事故・災害時の水の流れ<水質汚染時にも良質な水源を確保する>
事故・災害による水質汚染時には、豊平川上流のきれいな水を導水路を通して浄水場まで運び、断水を回避します。
「一時的に水の流れを切り替える」「きれいな水を直接浄水場へ運ぶ」
【工事概要】
土工:法面掘削工~1式
躯体工:小支台・第一固定台・第二固定台コンクリート構造物~1式
斜面管路工:水圧管路鋼管設置Φ1500㎜ L=102.8m、余水管路鋼管設置Φ1200㎜ L=104.4m
工事名:施設設備事業の内導水施設 国庫補助事業 豊平川水道水源水質保全 斜面管路新設工事
発注者:札幌市水道局
施行者:勇建設株式会社
看板説明文の文字起こし終わり。
豊平川水道水源水質保全事業
具体的な中身をまーったく知らなかったけど思いのほか大がかりな工事をしているらしい!! 看板を読めばいろいろわかるんだな!!←
工事現場の看板のイラストを見たときに、どれが白井川で、豊平川は?小樽内川は?どこで合流するっけ?どこになんの取水堰と発電所があるっけ?とよくわからなくなってしまったのでいろいろ調べながら整理しました。
事業完了後のつながり
とりあえずWordで作ったのはいいんだけども描画キャンバスごと画像にしようと思ったら図の上に重ねている文字がズレて読めなくなってしまいました。なので、PDFにしたあとスマホで表示してスクショして画像にした(画像右端に線が残っているw)。画質悪くてすみません。スクショ前のPDFファイルがこちら→ 3豊平川 事業完了後.pdf - Google ドライブ PDFファイルの方がきれいに見やすいと思うのでパソコンからご覧頂いている方はもう一画面開いていただけるとわかりやすいかと思う。
図の注意点
①白川浄水場から各配水池へのつながりが不明確。見る資料の年代が異なってどちらが最新かわかりにくかったり、簡略化されていたりした。白川第1~3送水管はそれぞれが独立しているわけではなく、ところどころでつながっていて災害時に代替できるようになっているはず。これは後追いして調べたい。
②山鼻取水場のつながりも不明確。資料を探しきれず。白川浄水場から藻岩浄水場へのルート(川沿幹線)と、藻岩発電所から浄水場へのルート(発電に使った後の水を浄水場へひきこんでいるらしい)、これも追って調べる。
③定山渓発電所取水堰で取水した水を白川浄水場へ運ぶルートは推測。事故発生時、定山渓発電所取水堰で取水して白川浄水場へ送るのはほぼ間違いなし。「豊平川」の「既設北電取水堰」であることから。(※後述します)
札幌市の水道についておさらい
札幌市にある浄水場は、定山渓浄水場(0.9%)、藻岩浄水場(16.9%)、白川浄水場(79.2%)、西野浄水場(2.2%)、宮町浄水場(0.8%)の5つ。※()内は年間配水量の構成比率。先頭3つの浄水場が豊平川から取水しています。その割合97%! (西野浄水場は発寒琴似川から、宮町浄水場は星置川・滝の沢川から取水)(令和元年度札幌市水道 水量水質年報/札幌市水道局)
定山渓浄水場取水堰(定山渓取水場)で取水された水はポンプ場でくみあげて定山渓浄水場へ。ここから定山渓などに給水されて、使われたあとの下水は定山渓水再生プラザ(下水処理場)で処理されて豊平川へ放流される。
定山渓浄水場の給水区域は定山渓温泉街の辺りだけかと思ったら、白川浄水場より少し上流の地域・簾舞まで給水しているみたい。温泉街の下水は定山渓水再生プラザで処理されるけど、簾舞の下水は菊水元町にある豊平川水再生プラザで処理されるようだ。定山渓浄水場から給水した水が全部定山渓水再生プラザに集まるわけではないということです。
藻岩取水堰(藻岩ダム)で取水された水は長い導水路を通って、藻岩発電所と(藻岩取水場・)藻岩浄水場へ運ばれる。白川浄水場取水堰(白川取水場)は白川浄水場のすぐ南にあって取水した水をポンプでくみ上げている。この藻岩取水堰と白川取水堰の位置が今日のお話で大事なポイントになるところ。
そもそも藻岩取水堰(藻岩ダム)は藻岩発電所へのみ水を送っていると思ってました。藻岩浄水場って聞いたことあるけど(土木遺産カードにもなっている)、どこから水をもってきてるんだろ~もう使ってないのかな~くらいに思っていました。まさか藻岩取水堰からとは。それで気づいたけど藻岩取水堰の水利使用標識を見たことがない。あるみたいなのに。今すぐ見に行きたい。中央区の一部の人は藻岩ダムで取水された水を飲んでいるのか…いいな…私は藻岩ダムを通過した水。それも良いな…。
そこらへん(藻岩・白川の取水の位置)を踏まえて現状(これまで)のつながりをみてみます↓↓。
現状(これまで)のつながり
PDFファイル→ 1豊平川 現状-PDF.pdf - Google ドライブ
新しくつくっている施設は完全に消さずにうすーくしました。
現状のつながり(水の流れ)だと問題点およびリスクがあります。それをわかりやすく色付けしたのがこちら↓↓。
PDFファイル→ 2豊平川 現状の問題点-PDF.pdf - Google ドライブ
問題点①→藻岩・白川の取水ポイントより上流に定山渓水再生プラザの放水ポイントがあること。
問題点②→藻岩・白川の取水ポイントより上流にヒ素やホウ素を含む自然湧水があること。
問題点③→(想定では白井川の)上流で油流入や土砂崩れなどの事故が起きた場合、取水ポイントの水質が悪くなり断水のおそれがある。
そ、そうか、、今までは定山渓の街の下水(もちろん処理後だけど)を含む川の水を浄水場で処理して飲んでいたのか‥‥、今はコロナで定山渓の利用客が少ないので、下水も少なくて、こちらに届く水が美味しくなってたりするのかも。
そういえば札幌の水道水ってペットボトルになってなかった?と思って調べてみたら、取水場所は定山渓浄水場の取水堰だった…笑 やはり最上流部の水がおいしいのか。「街中でもこんなにおいしい水が飲めるんだよ札幌は!」っていうコンセプトではなかったのね‥‥。 定山渓の下水がいくら処理されているといっても、それが含まれる川の水よりも、含まれない水を使う方がいいですよね。
自然湧水ときくときれいな湧き水!おいしい!というイメージが湧くけど、よろしくない湧き水もあるんだな。
上記の問題点を解決するのが豊平川水道水源水質保全事業など。あたらしくつくる設備を赤枠で目立たせた図です↓↓。
事業完了後(新設のもの)
赤枠にしたのが新しく作っているものです。すでにできたものもあるけどまだ稼働前だからよしとする。※「現状(これまで)の図」ではうすーくした白川第3送水管を上の図では赤くするのを忘れました(どっちつかず…)。白川浄水場からの送水管が災害などのときに全滅しないよう、白川第1・2送水管とは別ルートで第3送水管がつくられました。
豊平川水道水源水質保全事業として、玉川橋取水堰、定山渓複合井、定山渓水管橋、白川複合井、管理センター(放流調整池)とそれらをつなぐ導水路をつくっています。
それ以外にも、白川第1~3浄水場が古くなり耐震性能にも問題があることから改修したり廃止したりするのだがそのときに処理能力を落とさないように新浄水場をつくったりしている。上の図で一緒に赤くしたけど豊平川水道水源水質保全事業とは別です‥
あと、今までは白川浄水場のすぐ南にある白川浄水場の取水堰から取水していたけれど、ポンプでくみ上げていてそれにコスト(電気代)がかかるということで、地形の利を生かして藻岩取水堰から白川浄水場へ水をとりこむらしい。なんか熱い展開。※これも上の図で赤枠にしたけど「豊平川水道水源水質保全事業」外の話。
藻岩ダムから白川浄水場へ水をまわすその導水管の工事もしているんですね。あーーーーーそうなるとしばらく藻岩ダムの左岸へ行っていないことが悔やまれる。今現在あの裏手まで入れるのかわからないけど。
話を戻しまして、現状(これまで)のつながりにある3つの問題点をどうやって解消させるのか。ざっくり言うと、問題点①②に関しては導水路をつくって放流ポイントを白川の取水より下流にする(”通常時”ver.)、問題点③については豊平川上流に新しく取水ポイントをつくって事故発生時の取水の代替ルートにする(”事故発生時”ver.)という計画であります。図で見てみる↓↓。
事業完了後の通常時
問題点①②の解決方法。
定山渓温泉街の下水は定山渓水再生プラザで処理したあと定山渓接合井へ。ヒ素やホウ素などを含む自然湧水は玉川橋取水堰で取水しこちらも定山渓接合井へ。定山渓接合井に集められた水は豊平川を定山渓水管橋で渡り、地中の導水路を通って白川接合井へ。その後例の緑色の水圧鉄管をくだり管理センター(放流調整池)へ入る。ここでヒ素やホウ素などを除去して白川浄水場の取水ポイントより下流で豊平川へ放流する。
そうすれば藻岩・白川では、定山渓の下水処理水が含まれず、自然湧水は少ない、水質の良い水を取水できるというわけですね。自然湧水も 全く含まれない!と言いたいところなんですが、玉川橋取水堰では完全に取水し迂回させるわけではないようです(玉川橋取水堰完成予想図参照)。現時点でも自然湧水は流れていて、それでも基準を下回っていて問題なしというから、さらに少なくできたらOKということなんですね。下流には舞鶴の瀞もありますし、流れを完全にカットするのは現実的ではありません。
自然湧水の場所や新取水堰の場所を知らない時分に、「とりあえずまだ見たことない定山渓発電所(と白糸の滝)を見に行くか~」って見に行ったら取水堰があってびっくりしたしテンションうなぎのぼりでした。
お次は、問題点③について。
事業完了後の事故発生時(白井川での土砂崩れ・高濁度・油流入)
事故発生の想定箇所は豊平川の上流部ではなく支流の白井川です。白井川の上流には現在は休業中だが豊羽鉱山があります。白井川で事故が発生した場合、その流れは豊平川に合流して藻岩・白川の取水ポイントまで汚染してしまいます。
そこで豊平川の上流(もともと避けたい自然湧水よりも上流)に取水ポイントを設けてきれいな水を白川浄水場まで運んでくる作戦です。
てことは、通常時は豊平川源流からの流れは迂回させるので主に白井川と小樽内川(定山渓ダム)の水を飲んで、(白井川で)事故発生時は豊平川本流(豊平峡ダム)の水になるってことなのかしらわくてかー!!と思ったんだけども、さきほども述べたように玉川橋取水堰は全量取水して迂回させるわけではないので通常時に関しても豊平峡ダムからの水も飲むことになりそうです。豊平峡ダムの水と定山渓ダムの取水量は5:3ですし(平成27年度水道事業年報/札幌市水道局をみた)。
図をつくるにあたり取水ポイントについて検討しました。
事故発生時の取水ポイント、新設なのかと思ったら、イラスト(一番左)をみると「北電発電導水路」と書いてあるんですよね。他の参照資料でも「既設管路(北電所有の発電用導水路」とある。位置的に定山渓発電所の導水路を使用するとわかります。私がつくった図の中では定山渓発電所の上部水槽から分岐させたけど、”既設管路””導水路”と書いてあることとイラストの分岐位置からすると上部水槽に至る前に分岐地点をつくるのかもしれないですね? こないだ定山渓をうろついたときはそれっぽい工事箇所はなかった気がするんですけども…うーん。
豊平峡ダムの下流から定山渓発電所取水堰まで(あるいは薄別川)も土砂崩れの可能性がないわけではないだろうから豊平峡ダムから豊平峡発電所への導水路から水とれないのかな?と思ったけど、工事の難易度とかコストの問題なのかな。
なぜ定山渓浄水場の取水堰からとらないのかな。札幌市のものでしょ?って思うけど設備の機能(取水量)とかが難しいのかな。
定山渓発電所取水堰からもらうにあたり北電とはどのようなとりきめになるんだろう。藻岩取水堰から白川浄水場のことも含めて気になる。気になることばっかりー!!
そもそもこの事故発生時のパターンで行くと、白井川がだめになればそこに流れ込む小樽内川(定山渓ダム)の水もだめってことで(どこかで「定山渓ダムの水を白川第2浄水場で処理する」みたいなのをみたけど直接つながっているわけではないと思われる)、となると札幌の水は豊平峡ダムにかかってくる! 豊平峡ダムのハウエル・バンガー・バルブから札幌の97%をまかなう量の水を放流する? 豊平峡ダムで取水して豊平峡発電所にまわした水は、白井川が豊平川へ合流するのよりも下流で放水されるので、白井川からの汚濁水と混ざってしまうわけだし。定山渓発電所取水堰で取水した水はほとんど白川浄水場へ回さねばならなくなると思うけどそのとき定山渓発電所はお休みするのかな。‥‥札幌の水がめは豊平峡ダム(と薄別川)が担って、発電は砥山・藻岩で担う? 事故発生時パターンの豊平峡発電所、定山渓発電所の稼働状況が気になります。
定山渓発電所取水堰から白川浄水場へのルートについて。自然湧水や定山渓の下水処理水を通すバイパスと一緒かは明記されていなかった気がするけど、イラストや概要説明から一緒だと思われる。
”通常時”は、ヒ素・ホウ素を含む自然湧水と定山渓水再生プラザから出る下水処理水が通ってる導水管を、”事故発生時”は定山渓発電所取水堰からとった水が通ることは少し気になる。あんまりよくない水を常に流している管路を、綺麗な水を流してきれいと言えるのか??っていう。けど自然湧水も下水処理水も今は藻岩・白川で取水に含まれているわけだから、汚いわけではないんだよなと思う。
定山渓水再生プラザからの排水が定山渓接合井(→藻岩・白川取水堰の下流まで迂回)にされるようになったら現在の排水ルートは廃止になるのかなと思いましたが、上の”事故発生時”に定山渓発電所取水堰からの水が定山渓接合井から導水管を通ることを考えると、現在の排水ルートは残しておいて、事故発生時には現在と同じルートで排水を行うみたい。玉川橋取水堰では、取水しても迂回させるルートが使えないので取水せず下流へ全部流す。
さきほど豊平峡発電所と定山渓発電所のことは推測したけれど、他の発電所はどうか。砥山ダムと砥山発電所はいつも通り。
藻岩取水堰は取水して藻岩発電所へ導水する。(藻岩取水場・)藻岩浄水場へは送らない。そしたら藻岩浄水場からは給水できなくなるの??と思うかもしれないけど、白川浄水場から藻岩浄水場へは川沿幹線で水を送れるらしいので大丈夫、たぶん。
白川浄水場へは定山渓発電所取水堰から水が来る。藻岩取水堰・白川取水堰(そのころは廃止になるのかな)からは取水しない。
→白川の取水堰が廃止になるのかどうか。藻岩取水堰内の取水口は通常用と点検・何かあった時用の2つつくるみたいだし、白川の取水堰は維持せず廃止なのかな。と考えると、作成した図の中で、管理センター(放流調整池)からの放流位置は白川の取水堰より下流にしましたが、上流なのかもしれません。白川浄水場が藻岩取水堰からしか取水しないならば白川の取水堰の上流に放流しても何の問題もないですね。管理センター(放流調整池)は白川浄水場よりも少しだけ上流側にあるので、(白川の取水堰が廃止になるならば)わざわざ下流に迂回させずに最短距離で(白川の取水堰の上流)に放流するかも。あ、でも放流口の工事箇所として今の取水堰の辺りが指定されていた気もする~~~追って調べる案件。
緑色の水圧鉄管2本あるので、ひとつは自然湧水・下水処理水の迂回用、ひとつは事故発生時のきれいな水用?とも考えたけど、あくまでひとつは余水路らしいから多分違う。たぶん。
そしてそもそもなぜ水圧鉄管があるのか、道路の下に導水管を通すとかじゃなく。水圧鉄管といえば発電所でしょ???ってことで発電施設つくるのか探したらとある資料にのみ発電所の文字があった。それ以外の資料には出て来ないんだけど・・・
→豊平川水道水源水質保全事業の進捗状況について/札幌市水道局 (PDF)の9ページ目
藻岩浄水場には発電設備があって、藻岩浄水場や札幌市水道記念館の電力を賄い、余った分は北電に売ってるようだから、今回白川浄水場まわりを整備するにあたって発電所もつくるのかな!? せっかく水を運んでくるのなら発電した方がいいよね。
事故発生時豊平川本流だけで水が足りるのか
札幌の水は97~98%が豊平川から。
白井川で事故が起きて定山渓発電所取水堰からの水を使うにしても札幌で必要な水をカバーできるのか?? そもそも豊平川の本流でも事故が起きたらどうなるのか??(豪雨や地震による土砂崩れを想定するなら、白井川だけで済まずに豊平川も影響を受ける可能性が高い)
ここで登場してくるのが当別ダム!!!!!!
水源の分散を図るため、石狩西部広域水道企業団に参画しています(札幌市のほかに、北海道、小樽市、石狩市、当別町が参画)。2020年度に着手した、当別浄水場の増設工事と札幌市の西部配水池への送水管新設工事が予定通りに終われば2025年度から受水(当別ダム→当別浄水場→札幌市の西部配水池)となる。
管理センターほか新設工事の看板
ブログのはじめの方で、水圧鉄管(斜面管路)の工事の看板を載せましたが、その8か月半後に訪ねてみると看板が変わっていました。2021(令和3)年7月28日に撮影したもの↓↓
斜面管路の工事はひとまず終わってもう次の工事に移行している。
バイパスで運んできた水からヒ素を除去する施設について詳しく書かれています。横長看板の左半分は前回と同じ内容なので、右半分に書かれている文字を拾います。
国庫補助事業 豊平川水道水源水質保全 管理センターほか新設工事
工事概要
公示場所 札幌市南区白川1814番
工期 令和2年6月17日~令和7年2月10日
工事内容
1)白川接合井
2)水平部鋼管設置
3)減勢工設置工
4)管理センター(放流調整池)
5)場内配管
6)分水井
7)合流井
対象施設と詳細
- 白川接合井
☆構造の変化点における水面変動の吸収や円滑な導水を目的とした施設
- 分水井
RC造 建築面積711.31m2 (地上1階・地下1階)
☆導水した水のヒ素濃度や水量に応じて水の行き先を振り分ける施設
・緊急導水時における管路及び水槽も有する、別途工事で水力発電設備を施行予定
- 管理センター(放流調整池)RC造 建築面積4,503.78m2(地上1階・地下2階)
☆ヒ素を除去するため『凝集沈殿処理』を行う施設
・着?水井:1池
・混和池:フラッシュミキサー方式1池
・フロック形成池:フロキュレーター方式(3台/池)4池
・沈殿池:上向流沈降傾斜板(管)式4池
凝集沈殿処理とは・・・・
凝集剤(PAC)と呼ばれる薬品を入れてかき混ぜることで、小さな粒子として水中に存在しているヒ素を凝縮し、フロックと呼ばれる大きなかたまりにして沈殿させることで水中から除去する方法です。
- 合流井
RC造 建築面積141.59m2(地上1階、地下1階)
☆豊平川へ放流する処理水などを集水する施設
- 場内造成
事業範囲の基礎切盛(伐開等含む)
・場内の各連絡管が極力自然流下で接続でき、良質な地盤を考慮した最適な標高に造成
- 場内配管
①流入管Φ900 ②緊急導水管Φ1500 ③白川接合井OF管Φ1600 ④分水井OF管Φ1600 ⑤放流管Φ1500 ⑥放流管Φ1350 ⑦バイパス管Φ1000 ⑧天日乾燥床排水管Φ300 ⑨分水井排水管Φ400 ⑩沈殿池排水管Φ150 ⑪沈殿池排泥管Φ200
施行者 岩田地崎・伊藤・丸彦渡辺 特定共同企業体
文字の書き起こし終わり。書いてあること読んでもよくわからないけど、なんとなくわかる気もする。いったんなんとなーくインプットしておくといつかいきなりわかる瞬間が訪れることもあるから載せとく。
もう少し書く。
豊平川のいろんな施設について(ギャラリー的な)
水圧鉄管のことが気になって調べ始めて豊平川水道水源水質保全事業のことを知ってから、「あれ…自分は意外にも定山渓周辺のことわかってないかも」って思い始めました。川が合流するのはどこで?とか定山渓発電所まだみたことないなーとか。土木遺産カードになっている定山渓発電所や旧藻岩浄水場に行ったことがないのはなぜなんでしょ……
ってことで定山渓発電所とその取水堰の探索へ出かけたときの話↓↓
定山渓発電所取水堰と定山渓浄水場取水堰
定山渓発電所取水堰に行ってみよう!と思っていってみたら、立ち入り禁止(及び熊出没注意)のチェーンに阻まれて終了しました。
ただここは発電所の取水堰ではなく、定山渓浄水場の取水堰だったもよう。
札幌市街から来ると、豊平峡温泉やダムへの分岐を過ぎてすぐ右への地味ーな分岐があり、その先が今回行ってみた浄水場取水堰の入り口。
なんでここを発電所取水堰だと思ったかと言うと、
地理院地図でこの堰堤から定山渓発電所へ破線(導水路)がのびているからですよ!!!(だまされた!)
しばらくそれに気づかずに、じゃあ浄水場の取水堰はいずこ?と探していたんですけど、これこそが浄水場のもの。じゃあ発電所取水堰はどこかと言うと、上の地理院地図にもその上のGoogleMapの航空写真にも実は見えていて、浄水場取水堰の160mくらい下流(右上・北東方向)にある。地理院地図では「銚子口」の「口」の下のところ。
△こちらが発電所取水堰。札幌中心部から来ると豊平峡温泉&ダムへ左折する交差点より手前、駐車場がある辺り。航空写真をアップするとなんだか不思議な形状の取水堰で、そこで思い出すのが定山渓発電所の土木遺産カード。
公益社団法人土木学会北海道支部 | 北海道選奨土木遺産カード
独特なかくかくした取水堰、これが発電所取水堰で間違いなさそう。
行ってみようと思ったのですが、あちこちで工事していて邪魔になるとよくないのでやめておきました。工事が終わって落ち着いたころに改めてうろうろしたいです。どこまで近づけてどこまで見えるのかわかりませんけども。
定山渓浄水場と定山渓発電所、それぞれの取水の場所を補足しますと、
豊平川上流の方をアップにすると、
△「定山渓水道取水堰」と「定山渓発電所取水ダム」が並んで載っています。水道取水堰が上流にありますね!!
このパネルは以前もみたことがあるのにそのときはなーんにも思わず。今回いろいろ探してみてわからなくてこのパネルをみたらいろいろ理解できるのありがたい。
もうひとつ地図を。
「これこれこれ!これが知りたかったのよ!」って地図が、現地にさらっとあったりしますよねー‥‥ネットを探しても上の地図が出てこなくて、定山渓発電所を見に行ったらその近くにあった。現地うろうろするの大事すぎる。
定山渓発電所と玉川橋、玉川橋取水堰
車の運転中にチラ見する程度じゃあ愛でたとは言えないからのう。うろついて初めて愛でたといえる。
わかりにくい写真^^;
ちょっと話は逸れるけど、水管橋がありました。
国道230号、水圧鉄管から90mほど離れたところに余水路があります。。
定山渓の名所?おすすめ観光スポットにもよく載っている白糸の滝が定山渓発電所の余水路だったなんて知らなかった~~~!!! 白糸の滝があることも最近知ったんですけどね。そういえば白糸っていう宿泊施設があるよねっていう。
写真中央付近の看板には
定山渓発電所は、1909年(明治42年)に建設された、出力1,570kWの
現在の建物にその面影は全くありませんが・・・
ここで発電された電気は、主に札幌市内に送電されています。
とあります。
発電所と白糸の滝にある駐車スペースから坂をのぼると
そしてその上流側に、
完成&稼働後は近づけるといいなぁ。
玉川橋を左岸へ渡ると右手から川辺におりれるようになっています。おりてみるとそこは定山渓発電所の放水路・余水路の真正面。
発電所からの放水はないように見えて、やっぱり導水路の工事の関係なのかな!?ってわくわくしました。
こういうところ、どこまで近づいていいのかわからなくて遠めに観察して終わる。
定山渓接合井と定山渓水管橋
結論から言うと現地にいっても全然見えないのですが(2021年7月28日時点)、
△場所はここでーす
フォルダを漁ると2019年に撮った写真が出てきた。このころからなにか工事してるな~とは思っていたのよね。
新しく見に行った、見つけた施設はこれくらいと思われる。このあとは今まで行ったことのある豊平川関連の施設紹介をしたいと思います。(最初の訪問とかにこだわらずよさげな写真を載せています)
豊平峡ダム
定山渓ダム
小樽内川だけどもいちおう。
△3年前に訪問したときのことをブログにしていたようです\( 'ω')/ ダムにハマりかけ1か月のういういしさに溢れているwww
小樽内発電所
発電所内は撮影禁止だったので写真はありません。
砥山ダム
小金湯温泉の近く、石山からの裏道の終点ともいえる位置にある砥山ダム。
あれあれあれ、砥山ダムの放流は見たことないんだよなぁ~~って思ってたし言ってたのに見たことありました。まじかあ。
でっかいダムもかっこいいけど、コンパクトでガチャガチャしているダムもかっこいいいい。冬は見晴らしがよくて好きです。
砥山発電所
この横なんども爆走安全運転していたのに存在に気づいたのしばらく後だったwww
砥山発電所の建物と水圧鉄管に気づいてからも気づいてなかったこと、
今年の夏になって、え、遠くから見えてるじゃん!!!!ってうれしくなった話です。砥山発電所(と水圧鉄管)までまだ遠い地点から見える。サージタンク最高ぉぉぉ。
なぜ気づかなかったのか自分を省みると、この道は常にどこかへの通過点でしかなく、目的地が定山渓ってことは少なくて、ニセコとか洞爺湖とか函館のことを考えて通過しているので視界に入ってないんだよな。小金湯手前のてんとうむしハウスも最近気づいたし( ^ω^)・・・
藻岩取水堰はさきほど載せましたので割愛、
硬石山水管橋
▽ここから3枚が2020年9月1日
▽塗装工事中だった2020年11月7日
▽2020年12月28日、昼の2時頃だけど冬の暗さで塗装の新しさがわかりにくい。
▽2021年7月28日、天気がよくてピカピカ!!
かき氷整理券を目指していたのに遅れた理由、
— 彩り (@ayakaaaand) 2021年8月1日
硬石山水管橋🥳
なんかいつも橋だー水管橋だーって思ってたけど、白川浄水場から平岸配水場へ運ぶために豊平川横断しているのを最近知った!
私に届く水\( ˆoˆ )/アリガトー https://t.co/2lNY7nu7GH pic.twitter.com/EhbZTqO2UD
なんてツイートしていたのだけれど、調べてみると白川第2送水管である硬石山水管橋の中身は清田配水池と西部配水池へ行くのみで平岸配水池へは来ていないかも‥‥???(絶望) 見る資料によって違うんですよねー…送水管関係難しい。
藻岩発電所
ここに載せている施設の中では藻岩発電所だけ市街地寄りの外れたところにあります。
子どものころ、藻岩発電所の3本の水圧鉄管を見ると「なんかすごいウォータースライダーがあるぞ」と思っていた。と同時に、山の中腹から異様な人工物が生え出ているその異様さに怖さも感じていた気がする。去年ふと思い立って見に行ってみたら、子どものころに見てたあれか~って感じだった。
当時のツイート↓↓
藻岩発電所 #水圧鉄管 ひゅー🥳 pic.twitter.com/814McEcOOs
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
山の中を通ってつながってるとは、ダムを好きになるまで、発電に興味を持つまで知らなかった😳 pic.twitter.com/iVzo9V2qgV
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
藻岩発電所放流口近くに「藻岩犠牲者の碑」 pic.twitter.com/rs0fDq7uzf
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
最近、発電所を見たらそこからの放流口も見るようにしているので探索開始。発電所すぐ前の山鼻川は子供が遊べる親水ゾーンになっているので、もっと下流で放流しているもよう。
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
①地理院地図より 暗渠なんですね?
②出口と見当をつけたとこはただの滝
③R230くぐる
④放流口発見🥳 pic.twitter.com/YY6HLMaO6i
※音量注意⚠️ pic.twitter.com/toGvgZINd7
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
ミュンヘン大橋
私の推し橋・ミュンヘン大橋!!!
昨日さけ科学館で北海道かけ橋カードNo.27 ミュンヘン大橋をいただきました。
— 彩り (@ayakaaaand) 2018年11月28日
ミュンヘン大橋は完成時近くに住んでいたので、開通の前夜、徒歩で車道を歩いた記憶があります。斜めの黒い管は、友人が当時勤めていた水道管の会社が納めたものらしい🤔 pic.twitter.com/STmzEAh6AJ
北海道かけ橋カードにもなっています。
もともと好きでかけ橋カードにもなった橋が、今回のブログに絡んでくれてうれしい。 豊平川に架かっているのでもちろん関係はあるけど、白川浄水場からの送水管(第2)から分岐して西部配水池へ行く送水管が通る添架水管橋であるとは……(´;ω;`)
豊平川第1水管橋
昨年藻岩発電所を見に行ったあと、豊平川の床止や橋を見たいんだったー!と思ってサイクリングロードに入り東橋まで行きました(距離は7kmちょい)。
たくさん架かっている橋の中で「豊平川」と「水道」に関係するのが、こちら↓↓
豊平川第1水管橋です!!!!
この緑色、白川浄水場のところの水圧鉄管や硬石山水管橋と同じ??
豊平川第1水管橋
管径:Φ1200m/m 2条
延長:178.4m
札幌市水道局
昭和45年度架設
m/mってなんぞと思ったらmmのことをこう表記していた時代があったのか。昭和45年=1970年。架設から51年か…
このあと東橋で折り返して再度サイクリングロードの右岸をのぼってから帰宅しましたが、東橋より1.5kmほど下流まで行けば豊平川第2水管橋があったようです。第1水管橋から第2水管橋までは3.5kmくらい。また見に行かねばー!
幌平橋と豊平川6・7号床止 pic.twitter.com/OVS9d7HzgP
— 彩り (@ayakaaaand) 2020年8月17日
床止のこともいつか書きたい。豊平川に架かる橋も網羅したい。いつか、ね。
さいごに
ふー(/・ω・)/
ずっと書きたいと思っていた豊平川関連の施設群も含めて書けたー(∩´∀`)∩
もっと簡潔なもので終わるつもりが、ちょっと疑問ものせたり他のことも書いたり、その他豊平川関係ってことで盛り込んだら予想の3倍くらいになりました。いつものことながら長くてすみません。わかりにくかったり、間違っているところもきっとあるのですみません。
ブログを書くとき陥るのが、自分の思考や行動に沿って書いて、最後に読み返すとあくまで私の思考や行動に沿っているせいで分かりにくいってこと。。。。
ふと思い立って蛍光ペンマスターしたけどどこに蛍光ペン塗ればよいのかよくわからなくなった← ※スマホでは斜体になるだけだった。斜体使わんと思ったけどスマホで斜体になってしまうなら下線ボタンを蛍光ペンにするか…(ひとりごと)
とにもかくにも!読んでくださってありがとうございました(人''▽`)