古い方のパソコンだとハコの変換が出てこず、、なんか安っぽい題名になってしまうなぁ。
魍魎のハコ、読破しました!長かったからか、すごい重厚感と影響力。
京極夏彦氏の作品は、形式とか前提と言ったものを破壊します。たとえばこの作品だと、一般人の犯罪への向き合い方とか動機の存在意義。犯罪の日常性・異常性、犯罪者の正常性・異常性。
犯罪における動機なんて、犯罪のきっかけになるわけでも罪が減るものでもなく、まわりの一般人たる私たちが納得するためのもの。そんなシンプルな発想がここかしこに散らばっており、物事の見方を変える影響力を持ってます。
登場人物やできごとの絡まり方がすごい。ただ、物語があるための絡み方ではない。絡んでくる。
解決(ほどかれ方)も簡単にはいかない。絡まりあっているものをちょっとずつやっとの思いで解いてくる。
やっぱり稚拙な、もしくは成立はしているけれど標準レベルの小説は、物語の結末が先にあっての前提が書かれている感が出てしまう。だから9割が前提で1割が結末(たいていがどんでん返し)になる。それでも十分なのかもしれないけれど、やはりそれを超える作品に出逢うと感動する。
この作品は、ただ伏線をひいているのではなく、起こっていることを結末まで追っているからすごい。絡まり方と解かれ方のバランスがすごい。