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ドラマ 永作博美出演・湊かなえ原作「ムーンストーン」uhb「女流作家ミステリーズ美しき三つの嘘」

これの前に書いた「星降り山荘の殺人」読了感想ブログにて、

「出会えてよかった!」と思えるようなミステリーをさらっと単発ドラマにしてほしいけどドラマだとそれはそれで無理だろうか~みたいなことを書いたアヤカーーンです。

そんなことを思いながらパソコンの録画した番組リストを見てたら、

新年明けてすぐ、1月4日(月)の21:00からuhb(フジテレビ系)で放送されてた

女流作家ミステリーズ 美しき三つの嘘

っていうオムニバスドラマがあったので見てみた。

番組説明によると、湊かなえ三浦しをん角田光代のサスペンス作品を豪華女優陣で映像化とのこと。


まずはじめの作品は湊かなえの「ムーンストーン」から。(※ネタバレ含みますのでご注意を)


永作博美主演。

永作博美の演技がすごかった。

夫殺しの容疑で逮捕されるシーンから始まって、もうそのあとはすさまじい演技が続く。

DV夫役がハマりすぎて怖かった。

ドラマだから言える話だけど、

人が突発的にどうしようもない殺人をしてしまったら・・・

てか自分が殺人をしてしまったらって考えたときに、

現場検証やら取り調べを受けても、もはや身の潔白を証明したい意欲があるわけじゃないかぎり、

もう話すことも何もないよな~って思いました。

警察の捜査に付き合ってあげる必要ってなんのためにあるのかな、とか。

そう思わせる永作博美の演技でした。

だんだん絶望してくの。


DV夫の手が娘に伸びようとしたとき、母として夫を殺した。

なのに、「あなたは娘さんから父親を奪ったのです。母親失格です」って言われる。

だんだん狂っていく。

罪をつぐなう以上に心のケアが必要な「容疑者」「犯罪者」もいる。そう思った。

(てか永作博美のやつれていくそのさまがすさまじくて・・・化粧もあると思うが、演技がほんとにすごい。ほんとにすごいよ)


中学生時代を演じる二人の女優さんの「差」がリアル。

まじもんの美少女サユリが、かわいくなくて先生にもいじめられちゃうような主人公クミを救いだしてくれるエピソードが描かれる。本当の美少女とふつうの女の子ってその時点で「差」がありすぎるよなー・・・けどそんなクミを救おうとしてくれるサユリの強さと美しさよ。

留置所に入れられて、取り調べを受ける現在とその回想シーンが交互に描かれる。

これがどうやって”現在”につながるのかな~と思いながら見る。

回想シーンのサユリの言葉
「人を殺せば罪になるのにね
あなたをいじめて傷つけても
誰も罪には問われない」

これは”現在”の永作博美の状況そのもの。


そこに新しく登場する壇れい。

壇れいが、昔と同じように永作博美を救い出してくれる—――??

「弱い立場にある人ほど救われるべき」



この下、ほんとのネタバレ ↓↓↓

ネタバレしますぞ!!!!














壇れいが、留置所の永作博美のところに来て言う。

「サユリ・・・会いたかった」



( ̄□ ̄;)!!

サユリ=壇れい、じゃなくて!!??

サユリ=永作博美!!!???


もう、鳥肌ぶわーーーですよ。

この瞬間名作決定ですよ。

前記事で書いた、「出会えてよかった」作品にドラマで出会えた。

映像作品で出会えた。



たしかにちょっと気になっていたのは、

いくらダサダサないじめられっこクミが、サユリに救い出されたかと言っても、

(殺された)議員の妻になるかなってこと。

ちょっと想像しにくいな~っていう違和感。


ただ、今回はドラマだからこそ騙された!!

というのも、中学生時代の描写は明らかにぶさいくな方のクミ主観。

(だから私も”救い出される”って書いた)

そして”永作博美の”回想シーンとしてクミ主観だったらこそう勘違いもしちゃうでしょうよ!

あと永作博美のことは、取り調べの警察官も「19番!」としか呼ばないのよね~・・うまいわほんと。

というわけで映像トリックに騙された。

原作も読みたい!!


原作はサファイアという単行本に収められている「ムーンストーン」という短編のようです。


サファイア (ハルキ文庫)/角川春樹事務所
¥680
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あと2編、三浦しをん原作/土屋太鳳・門脇麦出演「炎」←天国旅行収録、角田光代原作/鈴木京香寺島しのぶ出演「平凡」←平凡収録、

これらは正直、あんまり頭に入ってこなかった。ムーンストーンの衝撃がありすぎた。

かろうじて平凡の最後がぐっときたけれど。

平凡の呪いと平凡の幸せかー・・・



三浦しをんは、「風が強く吹いている」と「船を編む」、「まほろ駅前多田便利軒」を読みましたが、そこまでハマれませんでした。まほろ駅前で直木賞、船を編むで本屋大賞ってのもよくわからないのですが・・・

角田光代も、直木賞の「対岸の彼女」、本屋大賞の「八日目の蝉」を読んだけどよくわからなかった。

よくわからなかったってのは、ここまで評価される?って意味でだけど。

湊かなえは「告白」と、ついこないだの「白ゆき姫殺人事件」、、ドラマの夜行観覧車くらいか、、wikiみてたら、告白がデビュー作で本屋大賞受賞ってすごいなぁ。


今回のドラマの原作本、読んでみようと思います。