世界と人生を彩るもの

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映画「ソロモンの偽証 前編・事件」

原作本先読み済。原作を読んだのは2015年3月なので9か月空いての映画鑑賞となりました(スカパーにて)。

ちょうどいい具合に忘れていたけれど、それにしても原作に漂う中学校特有の閉鎖的な陰鬱な雰囲気がよく描かれていました。

親に反発するけど抗いきれない感じとか、内申点を気にして大それたことできない感じとか、教師の抑圧的な態度とかクラスでのヒエラルキーのようなものなど。

この確かにあった世界観をよく文章にできるなぁと思った原作をとてもよく映画化していたと思います。

監督いわく、原作とは少しストーリー展開を変えているところがあって、その違いに私は当初気づかなかったけれど、その改変がとてもいい効果を出していた。

主人公の藤野涼子が原作ではただの優等生すぎてあまり共感できなかったのが、いい意味で人間味が出てました。

あとは樹里や大出などといったパッと見問題児である子たちの問題児たるゆえんがよく描かれている。家庭内にある暴力や抑圧が歪みとなって子供から子供へ発散されていく。その暴力やコントロールの発散が連鎖していく。

ただこの作品のもっとすごいところはその問題児たちのことも見捨てないこと。誰も善人ではないこと。みんなが自分自身に、同級生に向き合っていくこと。しばらく忘れてたけどこれは本当にすごい作品です。

原作を読んでいるにも関わらず、いつの間にか映画に引き込まれて、あっという間に前編が終了してしまいました(終わるタイミングすごいっす)。後編に期待!!